PC・Web・ネットワークを完全保護するセキュリティスイート
Panda のほぼ全てのセキュリティ機能を備えたウイルス対策ソフト。ウイルス対策にファイアウォールと Web 保護・ペアレンタルコントロール・Wi-Fi 保護・USB 保護・ データシールド・パスワード管理・データシュレッダ・データ暗号化・盗難防止・VPN の機能がひとつになったセキュリティスイートです。
“ほぼ全て”と書いたのは最上位モデルの Premium に含まれている無制限 VPN とプレミアムテクニカルサポートの2つの特別サービスが無いからです。無制限 VPN と特別なサポートが必要でないなら Panda Dome Complete を選ぶのは賢い選択です。
オンラインの脅威や犯罪行為・攻撃から PC やデータを保護
Panda Dome Complete は以前は Panda グローバル プロテクションと呼ばれていた Panda アンチウイルスの上位モデルで、ひとつ下の Advanced と比べると、パスワード管理・データシュレッダ・データ暗号化・盗難防止の機能が追加されていて、パソコン内だけでなくオンライン上のさまざまな脅威や犯罪行為・攻撃に対する多層の保護を提供しています。
サイバー攻撃が何のために行われているかというと、その主な目的は “お金” です。裏のマーケットでは個人のメールアドレスや住所・電話番号が2ドル、サイトのアカウントは3ドル、運転免許証は30ドル、医療記録は1000ドルほどで取引されていると言います。それらの個人情報を効率良く盗むために自動化されたマルウェアはあらゆるサーバーやコンピュータに侵入を試み、個人情報を自動的に収集する仕組みになっています。また、ランサムウェアのように PC のデータを人質にとって金銭を要求するケースもあります。
ウイルス対策ソフトは、そのような被害を防ぐためにセキュリティを強化することができるソフトですが、基本的な機能だけでは安全性が不足しています。Complete には PC 内のファイルを不正アクセスから保護する「データシールド保護」、パスワードやカードやライセンス情報などの個人情報を安全に保管して簡単に引き出して使える「パスワードマネージャ(Password Depot)」、ファイルを復元できないように抹消する「ファイルシュレッダ」やファイルを保護する暗号化ツールといった追加のセキュリティ層が装備されています。
Web 保護とペアレンタルコントロールで安全なインターネット
Web を保護する「Safe Browsing」は、マルウェアを含む危険なサイトやフィッシング詐欺サイトなどの悪質なサイトへのアクセスをブロックし、マルウェアの侵入や個人情報の盗難を未然に防ぎます。
ペアレンタルコントロールは、アダルトやギャンブル・違法なサイトなどの親が子供に見せたくない不適切な種類のサイトの閲覧を禁止し、子供が過去に訪問したサイトとブロックされたサイトの履歴を調べることができます。賢い子供ならペアレンタルの設定を解除しようと思うかもしれませんが、そうされないように Panda の操作画面をパスワードで保護できます。
簡単にテストしましたが、ペアレンタルコントロールでは日本語のサイトにも対応しているようです。また、広告とポップアップのブロックや特定のドメインのブロック、従業員向けのアクセス禁止設定もできるので、保護者でなくても使い道はありそうです。
セキュリティの基本になるウイルス対策
ウイルスに対する保護は、クラウドスキャンとビヘイビアベースの検出技術で既知のマルウェアから未知のマルウェア、スパイウェアや PUP・不審なアイテムを検出し感染からリアルタイムで保護します。検出したファイルは隔離されてスキャン結果はレポートに保存されます。
オンデマンドスキャンは、重要な箇所をスキャンする「クリティカルスキャン」と全体を検査する「フルスキャン」、スキャン箇所を指定できる「カスタムスキャン」の3種類から選択できます。オプションで定期スキャンとスキャンから除外するファイル・フォルダ・ファイルタイプ(拡張子)の設定ができます。
ウイルス対策にプラスされたセキュリティ層
外部のメディアからの感染を保護する「 USB 保護(USB Protection)」機能は、USB メモリ・ドライブが接続された時にスキャンを行って USB からの感染を防ぎます。また、USB 挿入時にウイルスが自動実行されるのを防ぐ感染予防を USB ドライブに施すことができます。
「プロセスモニター」は、コンピューター上で実行中のプロセスと各プロセスがアクセスしている URL を確認・監視できる機能で、悪質なプロセスの通信と実行を阻止します。「アプリケーションコントロール」は許可されていないアプリケーションをブロックする機能で、未知のアプリケーションのインストールや実行を阻止します。
ネットワークを保護して常に安全な環境を構築
「パーソナルファイアウォール」は PC への不正アクセスを防ぐ機能で、プログラムが行う通信を制限するルールと Panda 推奨のルール、外部からの攻撃と侵入防止を防ぐフィルタリングで PC を保護します。
「Wi-Fi(無線 LAN )保護」は、Wi-Fi ネットワークの脆弱性を自動的に検査する機能と、自分の無線ネットワークに未知のコンピュータが接続するのを阻止する機能、侵入者を調べるために過去の接続履歴をチェックできる機能があります。ほかには、公衆の Wi-Fi を使う時や匿名または安全重視でネット接続したい時に便利な「 VPN 接続」も利用できます( 150MB / 日の転送量制限があります)。
そのほかの便利な機能と未確認の機能
その他の機能は、PC やスマートフォンが盗難された時に場所を特定したりロックや初期化ができる「盗難防止(Anti-Theft)」機能、PC ブート時にウイルススキャンや復旧作業ができる「レスキューキット」の作成、キーボードの入力を隠す安全なスクリーンキーボード、フルスクリーン使用時に通知をオフにしてゲームやその他の作業を邪魔しないゲームモードなどを使用することができます。Complete に新たに追加された「PC クリーンアップ」機能は、ブラウザや Windows に溜まる不要ファイルの削除を自動化したり、ハードディスクのデフラグや自動起動(スタートアップ)の管理を行うことができます。
Panda Dome Complete には オンラインバックアップという機能もありますが、トライアル版からだとクラウドバックアップを行っている外部のサイトに飛ぶだけで、使うには別に料金がかかるようなので実質は使用できません。ライセンス購入すると使えるようになるのかどうかは未確認です。
Panda のセキュリティソフトを使う意味
このソフトでは、ウイルス対策だけでなく、ファイアウォールで侵入を防止し、有害または悪質なウェブサイトへのアクセスをブロックし、プライバシーを保護する重要な機能を使うことができます。身近な例えをすると、家の周りに安全な壁を作ってドアに鍵をかけ大事なものを金庫に入れ、外出時はボディガードが付いているのと同じことです。
Panda は高度なサイバーセキュリティ(EPP)と最新のエンドポイント検出と対応(EDR)技術を持ったスペインのセキュリティ企業で、ヨーロッパを中心に日本でも企業向けエンドポイントセキュリティ製品を展開しています。基本的に個人・家庭向けのセキュリティソフトは企業向け製品からフィードバックを受けて作られるので、企業向け製品を作っている Panda のソフトは大きな信頼性があると思って良いです。
全体的な感想
Panda のアンチウイルスソフトの特徴は、機能豊富で何層のセキュリティ層がありながらも、軽量で静かに動作し存在を感じさせないことです。また、バックグラウンドでクラウドとの同期と更新を行い、不正なアクセスをブロックするのでウイルスの存在も忘れさせてくれます。インストール後はほとんど設定の必要なくそのまま使えるので使うのも楽です。
唯一の欠点は日本語に対応していないことですが、ユーザー数が増えればそのうち対応してくれるんじゃないかという希望的観測はあります。
機能
- リアルタイム保護
- オンデマンドスキャン
- USB 保護
- データシールド
- ファイルシュレッダ
- ファイル暗号化
- プロセスモニター
- アプリケーションの制御
- ブラウジング保護
- ペアレンタルコントロール
- パスワードマネージャ
- パーソナルファイアウォール
- Wi-Fi 検査および Wi-Fi 保護
- VPN 接続(転送量制限あり)
- 盗難防止保護
- レスキューキットの作成
- 仮想キーボード
仕様
画像
使い方
インストール方法
- ダウンロードしたファイルを実行し、[Next]をクリック。
- インストール先ディレクトリと使用言語を確認します。その下の赤枠部分は上から
- 「セーフウェブ保護をインストールする」
- 「セーフウェブをブラウザの検索エンジンに設定する」
- 「セーフウェブをブラウザのホームページに設定する」
- 「安全なオンラインショッピングができるスマートショッピングをインストールする」です。1. はチェック推奨。2. 3. は好みで。4. は日本語環境では使えないので外して良いと思います。
- [Accept and Install]をクリックするとダウンロードとインストールを開始します。
- インストールが完了しました。[Open now]をクリックするとアプリが起動します。
- 起動すると Panda アカウントの作成画面が表示されます。後で作成する場合は閉じてOKです。
ウイルススキャンの使い方
- Panda Dome が起動します。
- 真ん中の[View Summary]をクリックすると残り日数などのアカウントの状態を見ることができます。
- メニューは隠れています、左下のカーソル をクリックすると全部の機能を見ることができます。
- 左上の Scan ボタンをクリックするとスキャン画面が表示されます。
- 左から、重要なエリアのスキャン、全体のフルスキャン、指定した場所をスキャンできるカスタムスキャンです。
- AntiVirus をクリックするとスキャンの実行と設定ができます。
- ここではスキャンの開始とスケジュールスキャンの設定ができます。右上はリアルタイム保護をオン・オフするスイッチと設定画面に移動するアイコンです。設定は別の項目で説明します。
- 右下の View Report からは各イベントの確認とレポートの保存ができます。
保護機能とその他の機能の使い方
- スキャンの右の PC Cleaup をクリックすると PC クリーンアップの機能画面に移動します。
- ジャンクファイルの削除・削除の自動化・スタートアップの管理・ハードディスクデフラグが使用できます。
- Free up space on my PC を実行すると、このような感じで不要ファイルの分析と削除ができます。
- その横の VPN ボタンをクリックすると VPN の機能画面に移動します。
- VPN 接続するには Automatic または お住まいの国を選択して[Connect]をクリックします。
- 接続すると左に転送量が表示されます。
- 次は My devices です。[Protect other devices]をクリックすると Mac や Android, iOS 向けのソフトのダウンロードができます。下の[My devices]をクリックすると Panda アカウントにログインします。
- Data Shield の画面ではデータの保護をすることができます。[Enable]をクリックして保護を有効にしましょう。
- [Start]をクリックします。
- 有効になりました。
- Wi-Fi Protection では Wi-Fi の保護を行うことができます。デフォルトでは有効になっています。
- サポート をクリックするとサポートへのアクセス画面に移動します。
- フォーラムを使うには登録が必要です。テクニカルサポートを使うには Panda アカウントへの登録が必要です。
- パーソナルファイアウォール を開きます。接続している環境を確認しましょう。
- アプリケーションコントロール です。初期設定では OFF になっています。有効にする場合は[Enable]を押して進みましょう。
- [Start]をクリックします。
- 次に[Next]をクリック。ちなみにアプリケーションコントロールは同意のないプログラムの実行を防いで感染から保護するシステムです。
- もういちど[Enable]をクリックすると有効化は完了です。
- ペアレンタルコントロール の画面です。左上のスイッチをスライドすると有効になります。
- 有効にして設定後少し使用した後はこんな感じになります。サイトの訪問&拒否履歴を見ることができます。
- Safe Browsing はデフォルトでオンになっています。ここではブラウジング中に検出した有害または悪質なサイトの情報を見ることができます。
- USB 保護 の画面です。USB メモリなどが接続されている場合下の画面になります。[Vaccinate drive]をクリックするとドライブを感染予防します。
- 右下のスイッチをオンにすると接続した USB は挿入時自動的に感染予防されるようになります。
- USB を挿入した時は、スキャンをするかどうかのメッセージが表示されます。非表示にするには Don’t remind me again にチェックを入れます。
- プロセスモニタ です。ここでは実行中のプロセスの一覧を見ることができます。
- [View detailed report]をクリックすると詳細画面に移動します。View web addresses をクリックするとプロセスが接続している URL を見ることができます。
- Anti-Theft(盗難防止)の画面です。[Locate my devices]をクリックすると Panda アカウントのページに接続します。
- レスキューキット をクリックします。ここではレスキュー USB ディスクの作成と、Panda Cloud Cleaner によるウイルススキャンを行うことができます。
- Virtual Keyboard をクリックすると安全なスクリーンキーボードが使用できます。
- ファイルシュレッダ の画面です。[Install File Shreder]を押すとインストールされます。
- インストールするとファイルの右クリックからファイルの暗号化・復号化・ファイルシュレッダが使用できるようになります。
各機能の設定方法
- 左上の ≡ をクリックすると隠れているメニューが出てきます。
- SETTINGS に進みます。
- General では全般の設定ができます。操作系統をパスワード保護する場合は Console login password から設定しましょう。
- フルスクリーン使用時に通知を無効にするゲームモードは初期設定からオンになっています。
- Avtivirus ではリアルタイム保護とスキャンの設定ができます。デフォルトでは圧縮ファイルのスキャンはオフになっています。
- ウイルスの感染を修復する時に確認する場合は Ask … の部分をオンにしましょう。
- 特定のファイルやフォルダをスキャンしない場合は Exclusions からファイルを追加しましょう。
- USB 保護 の設定画面です。USB の感染予防を自動的に行う場合は真ん中のスイッチをオンにしましょう。
- ファイアウォールの設定画面です。ルールは追加されているので特に設定を変える所はありません。
- ファイアウォール設定を下にスクロールすると侵入防止の各オン・オフができます。
- プロセスモニタに移動します。監視は有効になっています。
- Wi-Fi 保護 も有効になっています。Wi-Fi にセキュリティ上の問題がある時には通知されるようになっています。
- データシールド の画面です。ドキュメントフォルダとアーカイブ・ドキュメント・メディアファイルは初期設定で保護されています。他のフォルダに重要ファイルがある場合や拡張子がない場合は追加しましょう。
- PC クリーンアップ の画面です。クリーンアップ実行前にはシステム復元ポイントが自動的に作成されます。
- Notify me when the following space can be freed up. は削除できるファイルが(0.1GB)溜まったら通知を表示する設定です。
- セーフブラウジング の設定画面です。許可するドメインとアドレスを追加することができます。
- アプリケーションコントロール の画面です。実行を許可またはブロックするアプリケーションを登録できます。不審なアプリケーションが実行しようとした場合には通知される設定になっています。
- VPN の設定画面です。PC 再起動後に VPN 接続を有効にする場合は上の、安全でない Wi-Fi に接続する時は自動的に VPN に接続する場合は下のスイッチをオンにしましょう。
パスワードマネージャ(Password Depot)の使い方・日本語化
- Panda のパスワードマネージャ画面または Windows スタートメニューの[Password Depot – Panda Secure Vault]からパスワードマネージャを起動することができます。
- パスワードマネージャが起動しました。インターフェイスを日本語化するためには言語ファイルが必要です。入手するために Home page をクリックして Password Depot のホームページへ行きます。
- Password Depot のページ上のメニューの DOWNLOAD → Language Packs から Japanese をダンロードします。
- ダウンロードした ZIP ファイルを開き、中のファイルを Panda Secure Vault フォルダにコピーします。
- パスワードマネージャを開いて右上の Options をクリック、Language: のドロップダウンリストから Japanese を選択すると日本語化されます。
- パスワードの保存を開始するには、DB Manager を開き、左のメニューから保存する場所(ローカルまたはオンラインストレージ)を選んでから矢印のアイコンをクリックして新しいデータベースを作成します。
- メニューの[Help]からブラウザに拡張機能をインストールします。
- 設定から使用するブラウザを選択します。
- これでブラウザ使用時に新しいパスワードが保存できるようになります。
autorun.inf は削除不可能なので(ドライブをフォーマットしないと削除できないので)留意して下さい。